ブランド戦略を強化する意味とその役割
ブランド戦略を実際に行っていくうえで、そのメリットについて考えていくと、大きく3つほどメリットが挙げられます。
まず、効果があると感じられるのは認知度の向上と長期的な売り上げの確保です。認知度の向上というものは特に大きいメリットです。
もちろん、例外があるとは思いますが、大体のお客様は商品を購入する視点において、何も情報が出ておらず、見たこともないロゴの商品を買うよりはテレビのCMやネットの広告などでよく見る商品の方を手に取る事の方が多いです。
また、よくテレビのCMで流れていれば、知っているからこその信頼感や安心感を提供することができます。
ただのコーヒーやバッグでは売れません。
これはあの会社が提供しているものだから、大丈夫だろうという安心感を世間に定着させることが出来れば、他の会社よりもシェアを大きく広げられます。
二つ目のメリットは、商品のプレミアム感です。
これに関してはブランド品のバッグや時計に置き換えてみれば効果が分かりやすいと思います。
多少商品が高くとも他にはない価値、そして買い続けた購入者による思い入れが強ければ強いほど、その商品に特別な思いを抱いていくことになります。
こうすることで、他の商品よりも少々割高だとしても、お客様が購入してくれる可能性は大きくなっていきます。それだけではありません。
それ以上に価値が高まり、お客様に特別な思いを抱かせることが出来れば、他の商品など気にせずに、自社製品を購入して頂ける可能性も出てきます。
そうなると、自社のミスによって商品の価値が下落しない限りは、固有層の客を産み出し、高い商品価格を維持し、結果として高い利益率につなげられるという事になります。
また一度手に入った固有層は、リピート客としても期待でき、ライバル企業に顧客を取られるという現象を防ぐ手段にもなり得ます。
そして、最後のメリットが自社で働くことのできる誇りを提供できるという事です。
これに関しては人材採用時に関してもメリットがあります。何より、テレビCMで流れるというのは今の時代であっても有効な宣伝効果がありますが、その強みは、従業員の家族や近親者からも認知されるということです。
テレビでも流され、皆が知っている会社で働けるというのは大きな満足感を産み出します。
それだけでなく、ここでなら安心して働けそうだというイメージを与え、人材を確保しやすくなるというのも大きなメリットでしょう。
ブランド戦略は従業員に対するモチベーション向上という役割や会社の業績に直結するといっても過言ではない要素が、これらに詰まっています。
ブランド戦略を進めていく手法
肝心のブランド戦略を進める手法ですが、まずそもそもブランド戦略を行っていくうえで、自分たちの考えるブランドを定義する必要があります。
気を付けたいのは、マーケティングと混ぜてしまう事です。マーケティングはあくまでも会社が中心となり、自製品を推していくことが目的となりますが、ブランド戦略では、消費者を中心に考えることが必要となってきます。
というのも、ブランド戦略というものは消費者に長く愛され、思い入れを与えられるかが問題の中心となります。
押し付けるのではなく、独自の役割を持ち、出来るだけ多くの人に利用され愛されるロングセラー商品を作り上げる事が必要になるのです。
その為にも、まず練り上げていかねばならないのは、名前を聞くだけであの会社の製品だと思い浮かばせることのできるモノを作り上げること。
それに加えて価値の提供をしていくことです。特定の企業の製品の中には、名前を聞くだけであの商品だと思い浮かべられるものが多々存在します。
それは、消費者の中に強く印象付けられており、会社と商品が強く結びついています。
そうすると、あの商品が欲しいが、あそこなら間違いないと思われ、消費者の購入へと繋がるのです。アレならあそこで購入すれば間違いない。
そう思わせるだけの価値の提供、もしくは価値観の共有をし、消費者から選ばれる製品を作り上げていくのがブランド戦略における手法の第一歩となります。