失敗事例から見るリブランディング成功のポイント

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リブランディングの目的、効果とは?

新規のターゲット層にアプローチする時や、これまでの古いブランドイメージを刷新したいという時に検討されるのが「リブランディング」です。

リブランディングとは、既存のブランド資産を活用して新しく受け入れられるブランドに構築し直すことを指します。

成功すれば新規顧客の獲得につながりますし、ブランド価値の向上にもつながります。しかし、リブランディングには失敗することもあります。

失敗事例で、なぜそのリブランディングが失敗したのかを見ていきましょう。

リブランディングの失敗事例

リブランディングに失敗すると、既存顧客を混乱させたり、築いてきたブランドイメージに傷がつく可能性があります。

コカ・コーラ社『ニュー・コーク』

リブランディングの失敗事例として、コカ・コーラ社の「ニュー・コーク」があります。ニュー・コークの発売は、コーラの味を変えるという挑戦的な試みで、発売前には慎重なリサーチを重ね、リサーチ段階ではニュー・コークの味は従来のコーラよりも優れているはずでした。

しかし、顧客の長年続いてきたコーラの味への思い入れが強かったために、ニュー・コークは歓迎されませんでした。

結局、コカ・コーラ社は半年ほどで従来のコーラに味を戻しています。この失敗のポイントは、顧客がブランドに抱いている価値を企業が正しく把握していなかったことにあります。

コカ・コーラの顧客はコーラに新しい美味しさではなく、ずっと同じ味が続くことを求めていたのです。

GAP『ロゴ変更』

次に、ロゴの変更でリブランディングに失敗した事例が「GAP」です。長年使われていて馴染みの深いボックス型のロゴを、よりシンプルなものに刷新しました。

しかし、新しいロゴが不評であったため、GAPは1週間ほどで元のロゴに戻しています。ロゴというあまり変更される機会が少ないものを刷新されると、人は見慣れないものに対する拒否反応を示します。

ロゴの変更は最初はネガティブな反応を示されることが多いのです。

しかもGAPはこの不評を受けて新しいロゴを定着させる努力をしませんでした。

ロゴの変更が最初は不評でも、元に戻さず新しいロゴを使い続けて成功している企業もあります。GAPはこのロゴの変更で100億円以上の損失を被っただけの結果に終わってしまいました。

バーガーキング『フライズキング』

最後にもう一つロゴの失敗事例があります。

ハンバーガーのイラストがあしらわれた「バーガーキング」のロゴを、フライドポテトのイラストをつけて名前を「フライズキング」に変更すると発表しました。

新ロゴの下に「元バーガーキング」と記載されており、顧客はこれがジョークか本気か判別がつかず、大した話題にならずに終わってしまいました。

この失敗の原因は顧客を混乱させたことです。これがキャンペーンであれば、キャンペーンの意図が顧客に伝わるようにしなくてはなりません。

リブランディングに失敗しないポイントとは

リブランディングによりそれまで企業が培ってきたブランド資産をないがしろにしていると受け取られれば、顧客にとっては企業から裏切られたように感じられることもあります。

コカ・コーラ社は自社商品の何が顧客から評価されてきたかを見誤ったために失敗しています。

また、ロゴを変更することは、新鮮なイメージを顧客に与えられますが、長年そのロゴに親しんできた顧客にとってすぐに受け入れられるものではありません。スターバックス社のように、ロゴのデザインを時代によって変化させ、それが受け入れられている企業もあります。

ロゴに込められたメッセージを顧客に伝える努力をせずすぐに取り消してしまっては、単にネガティブなイメージのみを顧客に残すことになります。

リブランディングを成功させるためには、リブランディング後のブランドイメージをどのようにしたいのか、また、どのターゲットにアプローチしているのかなどを明確にし、さらに既存顧客を困惑させない仕組みが必要です。

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