人材育成における今後の課題と対策のポイント

時代の変遷に応じて人材育成に要求される内容も変化してきています。今後、企業にとって役立つ人材を育て上げていくにはどのような課題があるのでしょうか。

明確な指針を立てて人材育成を行っていけば企業として大きな成長を遂げられるようになります。そのためには、どのようなポイントを押さえて対策したら良いかを理解しておきましょう。

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ブランド意識の向上が課題

今後の人材育成の大きな課題として浮上してきているのがブランド意識の向上です。

様々な角度から企業ブランディングが進められている一方、その影響を受けずにあまりブランド意識を持たずに働いている人も増えてきています。

自分がやりたい仕事を求めて転職する人も増えてきている影響で、企業への帰属意識やブランドに対する誇りが失われてきているのが現状です。

しかし、企業価値を高め、顧客層に対して魅力的なブランドとしての認識を深めてもらうためには社員が個人レベルでブランド意識を持つことが欠かせません。この課題を克服しなければ企業として大きな成長を遂げられる人材基盤を作ることは難しいでしょう。

第二新卒や中途採用の活用が課題

新卒を採用したら定年退職するまでずっと働いてくれるというのが戦後から高度経済成長期における日本では一般的でした。

しかし、欧米の影響を受けて転職や離職をする人が増えてきたため、多くの現場では人材の流動性が高まっています。また、新卒を採用して徹底した企業ブランディングを行ったとしても、わずか二、三年のうちに辞めてしまうケースが増えてきました。

なぜなら、第二新卒として転職する人が少なくないからです。それに加えて、三十代くらいまでの人が転職活動に乗り出すことが多くなり、人材の流出を止めるのが難しくなってきています。

退職してしまった人材を補うためには採用活動を行わなければなりません。新卒の代わりに第二新卒を募集したり、成長盛りの二十代後半から三十代の人材を補うために中途採用を活用したりするケースが目立つようになりました。

このような人材が入ってきたときにいかにして人材育成をするかも大きな課題となっています。

他社ブランドに染まって働いてきた人たちの考え方や働く姿勢などを、自社ブランドのカラーに塗り替えなければなりません。

その企業ブランディングに成功しなければ、経営方針や事業指針とは異なる方向で業務を進めてしまうリスクがあります。いかにしてこのような他社で育ってきた人を迎え入れて育て上げるかが重要課題なのです。

エンゲージメントを高めるのがポイント

今後、人材育成を進めていく上でこの大きな二つの課題を解決するためのポイントとして挙げられるのがエンゲージメントを高める方針で育成を進めることです。

企業が向かっていく方向性と、組織の構成員が望んでいるものを合致させるようにしていくとエンゲージメントが高まります。

そのためには、個人がどのようなことを仕事に期待しているかを把握し、事業方針や業務内容とのすり合わせをしていくことが肝心です。

一般的な講義などを行う社員研修とは別に、個人と向き合ってエンゲージメントを高めるための協議を行うのが重要になってきています。企業規模が小さい場合には経営者が直接向き合って話すことができるでしょう。

一方で、それが難しいほど大きな規模になった場合には専門の部署を設置して対応するなどの策が考えられます。エンゲージメントを高めればブランド意識を持つようになり、定着率も高くなっていくでしょう。

多様な人に長く働いてもらえるようにしよう

今後の人材育成のポイントは新卒だけでなく第二新卒や中途採用の人が現場に入ることも想定し、様々な角度からブランド意識を持たせるための企業ブランディング戦略を考えることです。

その方向性としてエンゲージメントを高めることを重視するのが合理的でしょう。個人の興味関心を把握する機会を設けて、企業の進む方向性とすり合わせていくのが効果的です。

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