ブランディングの戦略メリットとデメリット
ユーザーに提供する商品やサービスに対して、提供する側と共通のイメージを持ってもらうことがブランディングです。
そのブランディングをたてる戦略のことをブランド戦略と言います。ブランディングが成功すれば様々な効果を得ることが可能になります。
ポジティブな効果の事例として競合他社との差別化が可能になります。また長期的な売り上げがユーザーの持つロイヤリティのおかげで確保できることです。
さらに成功することで高い利益率が得られることも特徴で、なぜならブランド自体に価値があるからです。
そして多くの人への自社に対しての認知度が、ブランディングが成功すれば上がります。
そのため新規のユーザーの獲得も容易になり、雇用面でも沢山の人が自社へ志望するようになり、大きな自社への貢献として人材確保も期待できます。
ユーザーにブランドイメージが定着していない場合のデメリットで、考えられるのは競合他社との価格競争に巻き込まれることと言えます。
ブランディングを怠り価格競争になるのは、価格を下げることがユーザーを引き付ける方法として最も簡単だからです。
これは十分なブランドによる差別化が企業にできていないことから起こります。
そして利益率低下によるコスト削減が、価格競争に巻き込まれた企業には強いられます。
ブランディングなどのプロモーション予算は、その効果が分かりにくいので一番最初の段階で削られてしまいます。
企業に新規ユーザーを開拓する力が無ければ市場シェアがじっくりと下がっていき、さらに競合他社との価格競争にも耐え続ける状態になるので企業にとって深刻です。
大手自動車メーカーとタオルメーカーの戦略
ブランド戦略が成功した事例として国内のある大手自動車メーカーは、1990年半ばまでを現在と比較すると、メーカー自体がとても想像もつかないような状態でした。
何とかこの訪れた不景気を打開しようとしました。打開策は大幅な値下げを他のメーカーに対抗して敢行しました。
しかしその結果起こったことは、このメーカーの商品の自動車自体の価値の低下を招いてしまいました。
さらに買い取り価格が価値の低下によって、大幅な値崩れを起こしてしまいました。
その後この自動車メーカーは自社にユーザーが、求めているニーズを見つめ直すことからはじめます。
それにより自社を愛するコアなユーザーに拘り、大衆受けは考えずユーザーの要望に徹底して応え続けました。
大幅転換の方向がマニアックな車好きのユーザーに変えたことで功を奏し、自動車に拘るならこのメーカーと言うブランドイメージが定着して成功した事例です。
国内のタオル工業組合で組合員企業として、製造を行っていたあるタオルメーカーは、海外の安いタオルの進出で市場を圧倒されていました。
状況はどん底状態で、海外製品の輸入制限を国に申請する程でした。このままではいけないと安心と安全、高品質と言う自分たちの強みを、改めて見つめ直します。
戦略としてあえて無地の真っ白なタオルでブランドイメージの定着を狙いました。
その結果これが功を奏して世の中に、真っ白なタオルはこのメーカーのタオルと言うイメージが広がりました。
そして安心と安全、高品質の商品は多少価格が高くても、求めるユーザーはどこにいるのかをリサーチして模索を続け、東京のアンテナショップやヨーロッパの展示会などへも出店しました。
飲料メーカーと化粧品メーカーの挑戦
ある有名なエナジードリンクメーカーのブランド戦略の事例は、栄養ドリンク自体のイメージが、どうしても男性中心になりがちなことに目をつけて、女性ユーザーを開拓しようと女性を意識した新しいエナジードリンクを開発しました。
また売り上げがターゲット層を見直すことによって、8倍になった化粧品メーカーもあります。