TCDの運営方針に見る、ウェブを活用した企業ブランディング
TCDは、1971年に山田崇雄デザイン事務所として始業し、1977年に株式会社TCDに改組したIT系企業です。
企業ブランディング業務およびブランド再興業務をはじめ、ブランドコンサルティングや調査、企画立案、各種コミュニケーションデザインの開発、商品施策に関わる各種パッケージデザインの開発、販売施策に関わる各種ストアブランディングの開発を事業概要としています。
ワードプレスで使用するテーマと呼ばれるテンプレートの企画・開発・制作・販売業務でも評価が高く、豊富な独自機能を盛り込んだサイト構築パッケージを世に送り出していることもTCDの特徴です。
企業がウェブサイトでブランディングを行うためのツールであるワードプレスは、今後ますます経営者や広報担当者が必要となるオープンソースのブログソフトウェアです。
そのワードプレステーマの国内シェアNo.1を誇るTCDが、重要な役割を果たしていることも見逃せません。
このように、他社の企業ブランディング、事業・商品などのブランディングや、ネーミング開発をサポートする事業を運営し、それらのノウハウを熟知する一方で、自社のブランディングにも力を入れているのがTCDです。
情報収集や比較検討、態度決定のほとんどをインターネットを通じて行う時代に突入し、ウェブを活用したブランディングの重要性をTCDの運営方針から理解することができます。
企業ブランディングとは、企業の良さや魅力、特徴をわかりやすく伝えていく活動
企業ブランディングに関するTCDの定義は、企業の良さや魅力、特徴をわかりやすく伝えていく活動と定めています。
言い換えると、ブランド価値と呼べるもので、企業ブランディングがしっかりと確立されていない会社はビジネスで成功できないと捉えているのです。
企業のみならず個人でも活用する人が多いワードプレスのテーマの企画・開発・制作・販売業務を通し、BtoBだけでなくBtoCにも長けているTCDにとって、このわかりやすく伝えていく活動とは法人・個人を問いません。
ブランド価値とは、一般的に機能的価値・情緒的価値の2つによって規定されています。
まず機能的価値とは、企業が提供する製品やサービスからもたらされる実利をさしており、企業ブランディングを成立させる上で必須とされている条件です。
もう一つの情緒的価値とは、人間の五感や気持ちで感じる利益・恩恵・便益を表しています。
きちんと企業運営を行い、軌道に乗せていくことができれば、機能的価値はいずれ浸透していくことを考えると、企業やブランドの優劣を決定するために、より大切な要素が情緒的価値なのです。
TCDでは、ネーミング開発、パッケージデザインと同時に、機能的価値・情緒的価値から成るブランド価値の確立に力を入れてきました。
例えば、「TCDのワードプレステーマ」と耳にしたワードプレスの利用者の多くが、洗練されたデザインと機能性が優れているテーマおよびテーマ開発企業と認識し、その結果として国内シェアNo.1の実績につながっていると言っていいでしょう。
企業ブランディングの重要な肝となる機能的価値と情緒的価値は、どちらか一方だけではなく両方を兼ね備えることが重要であり、成功の鍵を握ります。
マーケティングにおけるブランドの地位が低かった日本の大半の企業が機能的価値に傾き、情緒的価値の醸成をやや疎かにしてきたこれまでのマーケットを見据え、いち早く情緒的価値の重要性を訴え、他社のブランディングサポートを行ってきたのがTCDです。
そのため、自社ブランドを高める施策や活動も重視していることは至極当然と言えます。
企業ブランディングに外せない、会社名や商品名などを決定するネーミング開発
TCDの考え方として、機能的価値・情緒的価値から成るブランド価値の確立が企業ブランディングの肝であることを踏まえた上で、そのベースとなるネーミング開発やパッケージデザインも企業にとって重要視するべきポイントとして捉えています。
とりわけネーミング開発をしっかりと行うことは、最初に取り組むべき課題です。
ネーミング開発とは、会社名や商品名、サービス名などを決定する業務です。世の中に流通する多くの商品が法人・個人に届く現代において、コンセプトが明確でない企業や商品が売れない現状を考えると、他の企業や他社商品との違いや魅力、メリットをわかりやすく伝えることは大切です。
この際、大きな役割を果たすのが商品ネーミングやサービスネーミングです。デザイン以上に強い訴求力を持つネーミングは、マーケティング活動、ひいては企業ブランディングに大きなアドバンテージや強み、魅力、メリットをもたらし、他社との差別化を果たしてくれます。
TCDでは、事業概要の一つであるブランディング事業の一環として、約30年もの間、ネーミング開発にも取り組んでいます。
まず、ネーミングに盛り込む情報や要素をクライアントからヒアリングを行い、ネーミング開発基準を明確にすることからスタートします。
次に、この開発基準に沿って社内でアイデア出しと評価を繰り返し、ネーミング開発を進めていくことが特徴です。
あらゆる立場の複数の人間が参加して行うことにより、個人の好みや思想に左右されず、きちんとした価値や意味を織り込んだネーミング開発ができるのです。
また、知的財産管理技能士の資格を持つ従業員が複数名いることも注目ポイントで、商標を熟知したエキスパートが、戦略的かつ商標クリアできるネーミングの提案を行ったり、国内向け・海外向けの商標に関しても適切なアドバイスができたりする体制を整えています。
このノウハウを余すことなく活かしているひとつが、ワードプレステーマのネーミングです。多くの印象に残ると同時に、どんな業態のウェブサイト構築に適しているのか伝わりやすい名称は、TCDが多くの企業をサポートしてきたネーミング開発の知識や経験、持ち味を発揮したサービスと言えるでしょう。