インフルエンサーマーケティングのメリット・デメリット
インフルエンサーマーケティングは、特定分野での影響力が強い人(インフルエンサー)に企業の商品・サービスをPRしてもらうマーケティング方法です。SNSの広まりから、近年話題となっている手法です。
従来の広告は、テレビでも雑誌でも、本当にターゲットに広告が届いているのか測定するのは困難でした。
写真投稿がメインのSNSであるインスタグラムを例に挙げると、アカウントのフォロワーは、その人の投稿する写真やその人自身に興味がある人、憧れている人などです。
女子高生に向けて商品のPRを行いたい時には、女子高生のフォロワーが多いアカウントにPRしてもらえば、フォロワー全員にPRが行き届きます。
そして、このフォロワーたちによって拡散されることで、より多くの同じようなコミュニティに広告がいきわたると言う仕組みです。
クリック数やコンバージョン率など効果を測定しやすいのがSNSを用いたインフルエンサーマーケティングのメリットと言えます。
一方、デメリットはインフルエンサーが多くのユーザーから非難を受けるような投稿をした場合、その投稿がPRとは関係なくても過去にPRされた商品のイメージまで毀損される可能性があることです。
プラットフォームの特色
インフルエンサーマーケティングは投稿を拡散させて商品の認知度を高めるという性格上、あらゆるSNSとの親和性が高い手法です。
SNSといっても多くの種類がありますが、それぞれに特色があります。
まず、インスタグラムであれば写真が主体であることから、写真映えするものが受け入れられやすい傾向にあります。
ファッション、コスメなどの美容やインテリア、旅行などのカテゴリーでよく用いられます。
10〜30代ほどの若年層の男女に人気のSNSですが、写真だけでなく動画の投稿もできるようになってからマーケティングでの使いやすさも増しています。
また、一度の投稿がずっと残り、他人からも発見しやすいため、投稿からある程度時間が経ってもPR効果を維持させやすいという特徴があります。
したがって、インフルエンサーマーケティングにはよく使用されているプラットフォームです。
次に、ツイッターはアクティブユーザーの数が多いため、情報の流れがはやく、リアルタイム性に優れています。
したがって、期間の決まっているキャンペーンなどの情報をいち早く拡散させるのに向いています。
また、良くも悪くも頻繁にトレンドが更新されてしまうため、企業の情報アカウントで情報発信するのには向いていますが、インフルエンサーマーケティングで継続して長期間の拡散を狙うのは難しい傾向にあります。
しかし、リツイートだけでどんどん拡散されるという手軽さがあります。
フェイスブックもユーザー数の多いSNSの一つですが、実名でアカウントを運用している人が多いため、実生活の知人にシェアしづらいような投稿は、なかなか共有されません。
さらに、社会人がビジネスのために使っていることが多いので、ビジネス関連の投稿がシェアされやすく、インスタグラムと比べると若年層に向けてPRすることは難しいでしょう。
加えて、システム上インフルエンサーが生まれにくい構造と言えます。
そして、YouTubeは動画投稿サイトで多くのユーザーがおり、多くの世代で人気のサービスです。
メインユーザーは若年層が多めですが育児の合間に見せている家庭も多く、子供向けチャンネルなども注目されています。
また、チャンネル登録以外にも検索から見てもらえることも多く、商品を使っている様子を見たいという需要もあります。
効果がわかるまでに長くかかる化粧品や個人の好みが反映される食べ物などより、その場で使って使用方法や使い心地などを見せるツール系のPRに強いというのが特徴です。
インフルエンサーマーケティングの成功事例
インフルエンサーマーケティングの成功事例を二つ紹介します。どちらもインスタグラムでのPR投稿です。
ファッション雑誌ViViの公式インフルエンサーとして活動している古川貴絵がDiorの香水に関するPR投稿をしたところ、発売前にもかかわらず6000件を超える「いいね!」が集まりました。
彼女は普段からコスメに関する投稿をすると、どこで買ったのかなど尋ねるコメントがよくつくインフルエンサーであることから、コスメのPRとは親和性が高かったと言えます。
次に、美容系の投稿を多く行なっておりフォロワーが9.1万人いるumetomo。便通を良くしてダイエットをサポートするお茶「黒モリモリスリム」の投稿は投稿から1日も経たないうちに1000件の「いいね!」を集めました。
普段から化粧品、ヘアアレンジ、ライフスタイルなどの投稿が多いことから、彼女のフォロワーは美容・ダイエットに関心が高い層であることが分かります。
ダイエット食品は特に、信頼性の高い口コミが評価される傾向にあります。普段から投稿を目にしているインフルエンサーのPRであれば、フォロワーもそれを信頼できる情報だと認識する可能性が高いため、インフルエンサーとフォロワーの関係性を上手に活用できた成功事例と言えます。
なお、インフルエンサーマーケティングを成功させるには適切なプラットフォームと、商品のPRに向いているインフルエンサーを選定しなくてはなりません。
計画的にアプローチを行なうには、インフルエンサーマーケティングを手がける会社に依頼するのも方法の一つです。
会社に依頼すると、SNSに特化したPRのノウハウを知っているため、自社での運用より成功しやすいというメリットがあります。