【成功事例に学ぶ】企業インナーマーケティングの重要性

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企業のブランディングはインナーマーケティングから

企業のブランディングにおいて欠かすことができないインナーマーケティング。お客様や取引先、株主等の「アウター」に行うマーケティングに対して、社員や従業員など企業内部でサービスを提供する側の人々に対して行うのがインナーマーケティングです。

近年、飲食店やコンビニエンスストアの従業員による不適切動画が拡散し、企業のブランディングに悪影響を与えてしまう事例も発生しており、経営者と共に企業のブランディングを担う社員や従業員に対するインナーマーケティングの重要性が高まっています。

インナーマーケティングを有効に活用し成功している企業では、企業の好ましいブランドイメージを全社(又は全店)一体となって発信できているだけでなく、社員や従業員のモチベーションが向上する事で業務効率化や離職率低下など、様々なメリットを生み出しています。

そこで本記事では、インナーマーケティングに成功している企業の事例と、インナーマーケティングを成功させるポイントをご紹介します。

インナーマーケティングの成功事例1:スターバックスコーヒー

まず成功事例として挙げられるのがスターバックスコーヒーです。

スターバックスコーヒーでは6項目ある行動指針のうち、顧客に対する項目よりも先んじて1番に、「お互いに尊敬と威厳をもって接し、働きやすい環境をつくる」という従業員や職場環境に関する項目を挙げる事で、従業員の優先順位の高さを表現しています。

アルバイトも含めた全従業員を「パートナー」と呼ぶ事も、従業員を重要視する姿勢が現れています。

日本国内での従業員数は4,000人以上、店舗数は1,400店以上を運営するスターバックスコーヒーですが、実は詳細なマニュアルは存在しません。

その代わり、のべ80時間に及ぶ研修を通じて、スターバックスコーヒーの企業理念及び行動指針である「Our Mission and Values」の意味を考え理解し、アルバイトを含めた全従業員一人一人が店舗で体現する事で、企業が考える「感動体験」を提供できる環境づくりを行なっているのです。

また、店舗でコーヒーマスターとして認定を受け、更に社内試験を合格した従業員は「ブラックエプロンバリスタ」として特別な黒いエプロンを着用することができます。

より向上心のある従業員に対するモチベーション向上と、顧客に対するブランディングを兼ねた有効なインナーマーケティング施策であると言えます。

インナーマーケティングの成功事例2:スープストックトーキョー

次に紹介する成功事例は、「食べるスープ」をコンセプトに、東京の駅ナカを中心に展開するスープストックトーキョーです。

スープストックトーキョーでは、ターゲットとなる見込み客を徹底的に分析し、その見込み客がどのような人物かを細かく設定する事でブランディングに統一感を持たせる「ペルソナマーケティング」という手法を採用しています。

スープストックトーキョーのペルソナ「秋野つゆ」は、都内在住の37歳、「独身か共働きで経済的に余裕がある、バリバリのキャリアウーマン」と設定されています。好きな食べ物から趣味だけでなく、「プールに行ったらいきなりクロールから始める」などの特徴まで、細かくペルソナが作り込まれています。

このペルソナを設定する事で、細かいマニュアルを作らなくても、商品開発から店舗スタッフまで全従業員が「秋野つゆだったらどんな味やサービスを喜ぶか」を考えて仕事をすることができ、統一感のある好ましいブランドイメージを維持することができている成功事例であると言えます。

インナーマーケティングを成功させるポイント

成功させている企業もある一方、インナーマーケティングはアウターマーケティング以上に成果が見えにくく、疎かになりがちです。

成功事例に共通するインナーマーケティングを成功させるポイントは「統一」と「継続」であると言えます。

第一に、顧客や取引先、株主などのアウターに伝えたいブランドイメージと、インナーマーケティングに用いるメッセージは統一することが重要です。

企業理念や行動指針と、社員や従業員に伝えるメッセージがずれてしまっては、従業員はどちらを向いて仕事をして良いか分からなくなってしまいます。

対アウターと対インナーマーケティングで用いるメッセージを分かりやすい言葉で統一する事で、ブランディングの方向性を統一することが重要です。

第二に、一度統一したメッセージは継続する事です。

全従業員の意識を統一していく為にはかなりの時間がかかります。

それなのにコロコロと変更してしまっては従業員に戸惑いが生じてしまうだけでなく、企業に対する信頼が低下しかねません。

一度決めたブランドイメージやメッセージは継続してインナーに発信していくことが重要です。

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