企業ブランディングとは何のこと？
企業ブランディングとは、その企業の存在意義や社会的イメージをステークホルダーに向けて発信することで、多くの共感を得てブランド価値を高めようとする手法のことです。
自社の魅力や強みが顧客にいったん理解されれば、中長期的に安定した利益を維持できると考えられます。
なぜなら、ほとんど同じような商品やサービスが2つあった場合、消費者は企業イメージがより良いほうの商品・サービスを選びやすいからです。
また企業ブランディングは、価値観や企業風土、従業員、強みなどたくさんの要素で構成されており、差別化が図りやすいのも特徴です。
しかし、社会に浸透して認識されるまでには一定の時間がかかるため、長期的な計画が必要になります。
企業ブランディングによって得られる効果は？
企業ブランディングに成功した場合は、さまざまなメリットが得られます。消費者から信頼されることで、これから新商品やサービスを打ち出したときにも受け入れられやすい環境に恵まれます。
「この企業の商品なら間違いない、安心だ」というイメージが広く浸透しているため、新商品を販売する前からすでに一定の安心感を与えられるのです。
また、あなたの会社に将来性を感じている銀行・株式市場・投資家からは、資金調達がしやすくなるというメリットがあります。
これから事業を拡大していきたいと考える経営者にとって、資金調達は必須ですよね。
それから、自社で働く従業員へも良い効果がみられます。
自分の仕事にやりがいや誇りを感じるようになり、従業員一人ひとりの士気が高まることでしょう。
仕事へのモチベーションを高く維持することにも繋がり、業績の向上も見込めます。現従業員だけでなく、新たな人材採用の場でもメリットはあります。
近年、労働人口が減少していることから、採用難に悩む中小企業も少なくありません。
今後もこの傾向は続くと考えられており、優秀な人材の確保はますます難しくなるでしょう。
そこで好印象な企業ブランドが確立されていると、自然と人材が集まってくるため、採用難に悩まされる心配がなくなります。
企業ブランディングの進め方
まずは、自社の現状を把握しましょう。
対象顧客は誰か、自社の強みは何か、これまでの実績はどうかなど、企業の全体像をつかみます。
加えて、競合他社はどこか、市場ではどの位置にいるのかなど、自社の置かれている状況も分析していきます。
自社への理解を深めることで、企業ブランディングの方向性が定まってくるはずです。現状を把握したら、ステークホルダーに発信したい企業イメージを明確にしていきましょう。
企業イメージがまとまったら、効果的に発信できる手段を決めます。例えば、ウェブサイトやSNS、キャンペーンイベント、広告などがあげられます。
ブランド名やブランドロゴなどのブランディングツールも、重要なアイテムです。
名刺や封筒、会社案内、商品パンフレットなど、使えるものには何でもロゴやブランド名を記載するようにしたいものです。
ロゴやブランド名を目にする機会が増えれば増えるほど親しみがわき、社内だけでなく社外や一般消費者にまで徐々に浸透していきます。
企業ブランディングの効果が表れるまでには時間を要することもありますので、長い目で見て継続していくことが大切です。
一度だけ発信したら、それで終わりというわけではありません。
また、企業ブランディングの効果を定期的に見直すことも重要です。
企業ブランディングを始めて一定期間が経過したら、アンケート調査を行って効果のほどを検証してみましょう。
その結果、目的としていた効果がいまいち表れていなかった場合には、リブランディングを検討する必要があるかもしれません。
顧客のイメージとかけ離れていないか、市場のニーズからずれていないかなど、再度分析してみてください。